■半年を終えて
ボルチモアより報告(01/23/2001)
ボルチモアの冬はやはり大変冷え込み、京都や東京の同じ時期よりもずっと寒いようです。しかしながら、寮と学校が近いため日本のように外気に触れることがそれほどありません。医学部やジョンズ・ホプキンス病院を擁するこのキャンパスはJohns
Hopkins Medical Institutionと呼ばれ、港とビルの建ち並ぶインナーハーバーと呼ばれる市街地とは2,3キロ程離れています。学校が始まってからはこのキャンパスをでてインナーハーバーへ行くのは月に一度あるかないかといった程度になってしまいました。夜には寮の部屋からインナーハーバーのきれいな夜景がよく見渡せます。
住環境はとても良いとはいいがたく、病院の目の前にあるため昼も夜も救急車が行き交い、しばらく静かになったかと思うのもつかの間、上から患者を搬送したヘリコプターがばたばたと通過していき目の前のビルの屋上に着陸します。街の治安は非常に悪く昼間でもあまり学校から遠い通りは歩かないほうが無難です。あまりに危険なため、キャンパスの道路には道路の角ごとに設置された防弾ガラス張りのボックスに警察官が入っており、キャンパス内の道路に死角はありません。そのため、逆に学校から寮へ帰るのならば夜中でも安全です。
今年度のニューロサイエンス学科への入学者は14人です。内訳はPh.D studentが8人、MD./Ph.D
studentが6人です。Ph.D student8人のうち実に5人が留学生です。内訳は台湾2人、中国1人、シンガポール1人です。最近になって留学生のなかで中国語をしゃべれないのが自分だけであることに気づきました。中国圏の勢いを感じます。また、MD./Ph.D
studentは全員アメリカ人で彼らはすでに2年間の臨床研修を終えてニューロサイエンス学科に今年から配属しています。その他のPh.D studentも研究員としての実績があったり、あるいは兵役などに卒業後の何年かを費やしているため、おそらく、全員のなかで私が一番年下だと思います。
授業はクォーター制で今はIntroduction to Molecular Neuroscienceがメインの授業です。内容は多岐にわたりますがすべて神経細胞の分子レベルの構造や機能に焦点が絞られています。中間試験は決して完璧な点数ではありませんが、自分ではある程度納得しています。日本では考えられないくらいの時間を費やして準備しましたが、まったく違う分野に挑戦しているので十分な生物のバックグラウンドをもった学生には勝てないこともわかりました。とくに留学生は生物学で文字通り各国のトップの学生がきていると思われます。例えば、台湾からきたデビッドは現在25歳ですが、16歳で医学部に入り7年間で医者になったあと2年の兵役を済ませ、ジョンズ・ホプキンスに来ています。彼は台湾でもっとも若くして医学部に入り、そして現在もっとも若い医者だそうです。その他、北京大学やシンガポール大学から来た学生もトップクラスであることは間違いないです。私のようにまったく畑違いのところから挑戦している学生はアメリカ人のなかにもいないようです。